专利摘要:
アンペロメトリックセラミック電気化学電池は、一実施形態において、電解質層と、検知電極層と、対電極層とを備え、この電池は、窒素酸化物(NOx)またはNH3など1種または複数種の標的ガスの存在下、検知電極において酸素分子の還元促進を示すように、また結果として電池を通る酸素イオン束の増大を示すように酸化性雰囲気中で、また印加バイアス下で作動可能である。別の実施形態においては、アンペロメトリックセラミック電気化学電池は、約200〜550℃の作動温度でイオン伝導性である第1の材料の連続ネットワークを備える電解質層と、約200〜550℃の作動温度で電気伝導性である第2の材料の連続ネットワークを備える対電極層と、約200〜500℃の作動温度で電気伝導性である第3の材料の連続ネットワークを備える検知電極層とを備え、検知電極は、1つまたは複数の標的ガス種の存在下、電荷移動の増大を示すように作動可能である。これらの電気化学電池および追加の電気化学電池の実施形態は、ガスセンサおよび1種または複数種の標的ガスを検知または検出する方法における使用に適している。
公开号:JP2011513735A
申请号:JP2010548908
申请日:2009-02-27
公开日:2011-04-28
发明作者:マシュー;エム. シーボー;スコット;エル. シュワルツ;ローラ;ビー. スラン;マイケル;ジェー. デイ;ウィリアム;ジェー. ドーソン;バディ;イー. マコーミック;ポール;エイチ. マッター
申请人:ネクステック、マテリアルズ、リミテッドNextech Materials, Ltd.;
IPC主号:G01N27-416
专利说明:

[0001] 本発明は、特定の実施形態においては、炭化水素燃焼生成物中などの気体雰囲気中で1つまたは複数の標的ガス種、たとえば、亜酸化窒素(NOx)および/またはアンモニアを検出するために適しているアンぺロメトリックセラミック電気化学電池およびセンサに関し、またこれらのデバイスの機能を可能にする材料に関する。特定の一実施形態においては、ディーゼル燃料車におけるNOxおよび/またはNH3放出の検出に、本発明の電池およびセンサを使用することができる。]
背景技術

[0002] 世界的な産業化の増進により、燃焼過程によって生じる汚染に関する懸念が生じている。特に、車両または他の分布源からの排出が懸念されている。新しい環境規制が、ディーゼル燃料車両からのNOx(様々な比率のNOとNO2との混合物)排出を、ますます低いレベルへ抑制しており、これらのうち最大の課題は、2010年のEPA Tier 2のディーゼル排気管の基準である。これらを満たすために、エンジン製造業者が、選択的触媒還元(SCR)システムおよびリーンNOxトラップ(LNT)を含めた、新しいディーゼル後処理技術を開発している。たとえば、T. Johnson、2008 SAEInternational Proceedings、2008-01-0069(2008年)を参照されたい。これらのシステムでは、性能をモニタし、排出ガスに関する車載診断要件を満たすために、複数のNOxセンサが必要となる。生成削減技術の点では、他の汚染物質の中でもNOxについて開発されているが、これらの解決策は、閉ループ制御なしで適用した場合、燃料効率を悪化させることがある。さらに、提案された解決策の一部は、適切に制御されなかった場合、汚染を引き起こすことがある(たとえば、NOx用の選択的触媒還元システムが、アンモニアを大気中に放出することがある)。これら削減技術の制御には、小型で、酸素含有(希薄燃焼)排気流中のNOxおよび他の汚染物質について高感度のセンサの開発が必要となる。]
[0003] これまで提案されてきたセンサは、適用の要件を満たすことができない。NOx検出器の大多数は、酸素分圧(NO2分子のNOへの、またNOのN2およびO2への分解による)の電位差測定または電流測定を利用して、NOx濃度を決定する。これには、バックグラウンド酸素濃度からNOx濃度を分離するために、基準電極または基準ポンピング回路を用いてデバイスを構成することが必要となる。]
[0004] 電気化学センサにより、小型の低電力デバイスを用いて被分析流中のガス構成物質を測定する手段が提供される。多くの電気化学センサ手法が過去に報告されている。たとえば、J. W. Fergus、Sensors and Actuators B121、652-663(2007年)、W. Gopelら、Solid State Ionics 136-137、519-531(2000年)、およびS. Zhuiykovら、Sensors and Actuators B121、639-651(2007年)を参照されたい。これらの手法は、電位差測定による混成電位センサからインピーダンスに基づくセンサ、アンペロメトリックセンサにまで及ぶ。これらの手法のほとんどが、関心のあるガス種に対して感度を示す電極材料と共に、デバイスの一成分としてセラミック電解質材料を使用する。これらの設計における検知および基準電極として、貴金属および卑金属、ならびにサーメットおよび単純酸化物や複合酸化物も含めた広範囲に及ぶ材料が評価されてきた。電解質の選択ははるかに狭くなっており、主にイットリウム安定化ジルコニアに焦点が合わせられ、NASICON電解質の例は少数しかない。これらの手法はいずれも、ディーゼル排気用途の重要な要件すべてを満たすことはない。]
[0005] 混成電位設計は、検知および基準電極で起こる反応の異なる反応速度を利用する。NOx検出の例では、2つの反応、
NO2からNOへの還元:(1)NO2→1/2O2+NO、および/または
NOからNO2への酸化可逆反応:(2)NO+1/2O2→NO2が関心の対象となる。]
[0006] これらの反応は、異なる電極材料の上で異なる速度で起こる。分子酸素の局所的単体分離または消費により、検知電極における酸素分圧が変化し、その結果、基準電極とは対照的に発生する起電力(EMF)が変化する。これらの反応に対しては不活性であるが、O2還元については活性となるよう基準電極が選択される(AuやPtなど)。混成電位センサ向けの検知電極の例として、WO3、NiO、ZnO、Cr2O3、V2O5などの単純酸化物、あるいは二価および三価の遷移金属、またはランタニドフェライトもしくは亜クロム酸塩系ペロブスカイトで構成されるスピネルなどの複合酸化物が挙げられる。基準電極は、ガス流中に存在することがある酸素を相殺するため、検知電極と基準電極との間のEMFは、存在するNOまたはNO2の濃度と直接相関させることができる。]
[0007] 混成電位手法の欠点として、他のガス種の検知および基準電極との干渉が挙げられる。炭化水素やCOなど、ガス流中に存在する還元性ガスが、信号と干渉することになる。混成電位デバイスの別の複雑さは、NOと検知電極との間の触媒反応により酸素が消費され、その結果負の相対EMFとなるが、NO2の還元ではO2の単体分離により正のEMFが生じ、総NOx濃度測定が不正確となることである。]
[0008] これらの制限を回避するために多くの戦略が提案されている。特定の寸法のガス分子のみを検知要素まで通過させることを可能にする保護用ゼオライトコーティングが使用され、燃焼生成物、炭化水素および微粒子が測定に影響を及ぼさないようにしている。あるいは、酸化または還元反応のみに有利に働く選択的検知電極材料(NO2に対しては感度が良いがNOに対しては感度が悪いと特定されているLaCoO3など)を使用することもでき、混成電位センサのアレイを使用してNOおよびNO2濃度を決定することが可能となる。同様に、非選択的検知電極に異なる電圧でバイアスをかけることにより、NOおよびNO2濃度を決定するために同時に解決することができるセンサのアレイをもたらすこともできる。]
[0009] 混成電位センサの開発における本質的な関心は、検知電極の微細構造により非平衡酸素分圧および混成電位応答を生じる反応速度が制御されることである。多成分ナノ複合電極の開発による微細構造の制御により、十分に反応の良い安定した電極材料の開発が可能となることもあるが、同時にこのようなデバイスは実証されていないことも示唆されている。]
[0010] アンペロメトリック設計では、電気化学電池にかかる一定の印加電圧によって生じる電流を測定する。多くのアンペロメトリック電池が、文献に報告されている。これらの設計の電解質はNASICON、YSZおよびガリウム酸ランタン電解質に限定され、NASICONでは200℃を下回る温度で、YSZおよびガリウム酸ランタン電解質については500℃を上回る温度で作動する。]
[0011] 文献に報告されているようなアンペロメトリック設計は、以下で説明するように商業化されている。しかしながら、それらアンペロメトリック設計は、従来の手法によって実現することができる制限電流を回避しなければならない。文献に開示されているデバイスは、下記式によって示すように、NOxの触媒分解を利用して、印加電圧下で電流を検出する。]
[0012] NO2からNOへの還元:(3)NO2→+1/2O2+NO、および/または
NOからN2およびO2への還元:(4)NO→1/2N2+1/2O2]
[0013] これらの用途において予想されるNOxの濃度が非常に低いため、これらのデバイスによって実現される信号は極めて低く、これらセンサの分解能、精度および検出しきい値が制限されてしまう。ディーゼル車におけるNOx排ガスのモニタリングのためには、NOxの低ppm濃度の正確な検出が、排ガス規制の達成にとって不可欠である。加えて、これらの低信号には、電磁妨害から保護するために追加のシールドが必要となる。]
[0014] インピーダンスに基づくセンサは、NOx検知用途のために提案されている第3の電気化学デバイス群である。これらのデバイスにおいては、検知電極に振動電圧が印加され、この電圧によって発生した電流が測定される。電圧振動の周波数を調整することによって、応答を選択して、デバイスの抵抗に対する特定の非オーム性の(non−ohmic)寄与と相関させることができる。この手法においては、混成電位モードにおけるNOおよびNO2の分岐応答は観測されず、代わりに、同じ符号および大きさの信号が観測される。しかしながら、これらのデバイスは、開発における初期にあり、排気流中に常に存在することになるCO2およびH2Oの両方からの干渉を受ける。最終的には、単純化された作動条件下であっても、インピーダンスに基づくセンサには、混成電位センサまたはアンペロメトリックセンサよりも複雑な信号処理が必要となる。]
[0015] 上記センサ設計手法のいくつかは、技術および特許文献に記載されている。そのような一デバイスが、マルチチャンバ電位測定デバイスであり、このデバイスは、NOx検出向けに排気流を調整するために多段反応手法を使用する。たとえば、米国特許第5,861,092号、米国特許第5,897,759号、米国特許第6,126,902号、米国特許第6,143,165号、米国特許第6,274,016号および米国特許第6,303,011号を参照されたい。最初の反応室では、外気流からの酸素を測定室に送り込んで、すべての残留炭化水素および一酸化炭素を酸化し、NOおよびNO2を変換する。結果として生じた試験流をその後、混成電位検知および基準電極の組にさらす。結果として生じた電位を測定して、NOx濃度を決定する。試料ガスの必要とされる処理についての遅延を前提とすると、センサの反応時間が、車両用途における使用には長すぎる(数秒)と予想される。]
[0016] ゼオライト改質電極と共にイットリア安定化ジルコニア(YSZ)を用いる第2の混成電位センサが、NOx検出について研究されている。たとえば、米国特許第6,764,591号、米国特許第6,843,900号、および米国特許第7,217,355号を参照されたい。このデバイスは、高温でのみ有効に働き、温度変化に対しては非常に感度が高いが、2秒以上の応答速度がある。応答速度が非常に遅いため、この技術は車両用途には採用されていない。]
[0017] NOxを検出するための最も卓越したセンサのタイプは、日本国の日本ガイシ(NGK Insulators)によって開発され特許取得済みの、複数の酸素イオンポンプを利用するアンペロメトリックデバイスである。たとえば、米国特許第4,770,760号および米国特許第5,763,763号を参照されたい。エンジン製造業者によって主要な実現可能である市販のNOxセンサであると考えられているこの技術においては、排気ガス流中の分子酸素をすべて、排気ガス試料から電気化学的に送り込み、その後触媒電極材料(典型的にはPt/Rh合金)によって残存NOxをN2およびO2に還元し、結果として生じた酸素イオン電流を測定することができる。これらのセンサは相対的に遅く、複雑、コスト高で、ディーゼルエンジン産業が必要とする低いNOx濃度を検知することができない。加えて、それらのセンサは、アンモニアに対して交差感度を示し、アンモニアを含有するガス環境において誤ったNOx測定が生じてしまう。選択的触媒還元またはリーンNOxトラップシステムにおいてNOx貫流(breakthrough)を効果的に監視するためには、NGKセンサの10ppmの精度と比較して少なくとも5ppm、好ましくは3ppmの分解能が必要となる。]
[0018] 他の研究では(たとえば、G. Reinhardtら、Ionics 1、32-39(1995年))、NOが、酸素の電気化学還元を助け、アンペロメトリックセンサの基礎を形成すると報告されている。しかしながら、電極および電解質材料を使用するため、この実証電池は、600℃の最小作動温度を必要としていた。これらのより高い温度では、O2およびCO2吸着が、NOx吸着よりも熱力学的に有利である。P. Broqvistら、Journal of Physical Chemistry B、109:9613-9621(2005年)を参照されたい。したがって、Reinhardtおよび彼の同僚によって、CO2もしくは水の存在下、または低NOx濃度ではNOx感度は実証されず、単純化されたガス雰囲気において高温でNOxの検出が実証されただけであった。ディーゼルエンジン排気システムにおける作動では、CO2およびH2Oの存在下でppmレベルのNOxを検出する能力が不可欠であり、この手法がこれらの用途における使用には非実用的となる。]
[0019] 米国特許第5,861,092号明細書
米国特許第5,897,759号明細書
米国特許第6,126,902号明細書
米国特許第6,143,165号明細書
米国特許第6,274,016号明細書
米国特許第6,303,011号明細書
米国特許第6,764,591号明細書
米国特許第6,843,900号明細書
米国特許第7,217,355号明細書
米国特許第4,770,760号明細書
米国特許第5,763,763号明細書]
先行技術

[0020] J. W. Fergus、Sensors and Actuators B121、652-663(2007年)
W. Gopelら、Solid State Ionics 136-137、519-531(2000年)
S. Zhuiykovら、Sensors and Actuators B121、639-651(2007年)
G. Reinhardtら、Ionics 1、32-39(1995年)
P. Broqvistら、Journal of Physical Chemistry B、109:9613-9621(2005年)]
発明が解決しようとする課題

[0021] したがって、NOxまたは他の標的ガス種を正確に検出するためのセンサの改善が必要である。]
課題を解決するための手段

[0022] 本発明の電気化学電池およびセンサ、ならびに同電気化学電池およびセンサを用いる方法により、上記手法の様々な制限が回避される。本発明は、とりわけ、燃焼された炭化水素燃料排気の酸素含有環境におけるエンジン排気を検出するための、電極触媒効果を用いた電気化学電池およびセンサを対象とする。本発明の電気化学電池およびセンサは、従来技術の様々なセンサよりも、NOxに対してもアンモニア(NH3)に対しても顕著に増強された感度で、酸素分圧に対してより低い依存性で、より速い応答により、またより低温で、燃焼排気流中で作動することができる。]
[0023] 本発明の電気化学電池およびセンサは、ガス構成物質を検出すために採用する機構により、また電気化学電池およびセンサが作動する温度により、様々な公知のセンサと区別できる。これら電気化学電池およびセンサは、アンペロメトリックデバイスとして構成されるが、吸着したガス種によりデバイスの検知電極上で酸素還元速度が増大した場合に応答する。電気化学電池およびセンサは、NOx濃度を検知するために触媒NOx分解を必要とせず、むしろ、酸素含有ガス流中のNOxを検出するために、吸着したNOxの存在によって生じる酸素還元電流の増大を使用する。この機構は、様々な競合するセンサ技術と比較して極めて速く、NOxの還元のみから可能であるよりも大きい電流を生じる。さらに、この触媒手法は、NH3を含めた他のガス種にまで及ぶことが実証されている。]
[0024] アンペロメトリック電池およびセンサは、酸素イオン伝導電池に基づいているが、従来のセンサとは異なり、この手法は、応答信号として、ガス流中NOxの直接分解により生じる酸素イオン電流を利用しない。特定の実施形態においては、Xが約0.2〜0.4の範囲に及び、Yが約0.2〜0.4の範囲に及ぶ(La1−XSrX)(Co1−YFeY)O3−δ(LSCF)電極などのペロブスカイト電極が、酸素イオン(O2−)伝導性電解質に塗布された場合、NOxおよび/またはNH3の存在下O2還元について触媒活性を示す。この新規の手法においては、電池およびセンサは、このような電極の表面上のNOxおよびNH3種の存在によってガス流中の酸素の還元が触媒される触媒効果により、NOxおよびNH3を検出する。これにより、先に開示したセンサとは対照的に、設計の簡潔さおよび柔軟性、材料選択性ならびに作動条件において特に利点を有するデバイスとなる。これらの電池およびセンサはまた、流れ、二酸化炭素および硫黄酸化物(SOx)の存在下NOxに対して反応が良い。これらの電池およびセンサは、NH3に対して調節可能な応答を示し、これによりNOxのみを検出し、またはNOxもNH3も共に検出し同時に定量化することが可能となる。特定のセンサ実施形態により、3ppmと低いレベルでNOおよびNO2を検出し、および/または50msと速いセンサ応答を示すことが実証されており、より優れたシステム制御またはエンジンフィードバック制御さえも可能となる。さらに、特定の実施形態においては、開示の電池およびセンサが、200〜550℃の温度範囲で作動し、この温度範囲にわたって、NOxおよびNH3応答が、変動バックグラウンド排気ガスに対する感度よりもはるかに大きい。]
発明の効果

[0025] 本発明の電池およびセンサは、大型車両用(heavy duty)ディーゼル排気システムにおけるNOxの検出に適用可能であるが、低レベルのNOxに対する迅速な応答が望まれる幅広い他の用途においても同じことが有用となる。NOx電池およびセンサは、O2、CO2、SOX(SOおよび/またはSO2)、H2OならびにNH3が含まれるがこれらに限定されない固定または変動濃度の他のガスの存在下、低レベルのNOxを検知する際に特に有用である。さらに、電池およびセンサの構成、作動温度、ならびに印加電圧は、SOX、O2、NH3およびCO2が含まれるがこれらに限定されない、検知電極の酸素還元活性を変化させる他のガスに対して反応が良くなるように調節することができる。低レベルのこれらのガスの検出に合わせた電池およびセンサもまた、幅広い用途で有用である。]
[0026] 本発明の様々な実施形態、特徴および利点が、以下の詳細な説明を考慮するとさらに十分に理解されよう。]
[0027] いくつかの図面を参照して、本発明のセンサについて説明する。]
[0028] これらの図は、本発明の電池およびセンサ、ならびに同電池およびセンサを用いる方法の様々な特徴および実施形態を実証するが、本発明を限定すると解釈すべきではない。]
図面の簡単な説明

[0029] 実施例1のセンサ設計の写真であって、(a)は、電極なしのガドリニウムをドープしたセリアセラミック電解質膜ディスクを示し、(b)は、両面に(La0.6Sr0.4)(Co0.2Fe0.8)O3−δ(LSCF)電極が塗布されたセラミック電解質ディスクを示す。
実施例1〜6のNOxセンサを試験するために使用する試験構成の概略図である。
実施例2に記載されているように、センサ室から出るガス流の組成に変動印加電圧が及ぼす影響を示すグラフである。
実施例2に記載されているように、センサ応答と、CO2なしの吸着NOxに対するセンサ依存性を示す実験中にセンサ室から出るガス種の質量スペクトルとを示すグラフである。
実施例2に記載されているように、センサ応答と、ガス流中にCO2ありの吸着NOxに対するセンサ依存性を示す実験中にセンサ室から出るガス種の質量スペクトルとを示すグラフである。
実施例3に記載されているように、425℃における異なるベースラインガス中の、対称的に対向配置されている電極を有する平面センサの応答を示す、ターフェルプロットを比較するグラフである。
実施例3に記載されているように、3.3vol%O2、11.3vol%CO2、2vol%H2O(残りはN2)のベースラインガス組成物中の375℃におけるNOおよびHN3に対する、対称的に対向配置されている電極を有する平面センサの応答を示す、ターフェルプロットを比較するグラフである。
実施例3に記載されているように、3.3vol%O2、11.3vol%CO2、2vol%H2O(残りはN2)のベースラインガス組成物中の425℃におけるNO2およびNOに対する、対称的に対向配置されている電極を有する平面センサの応答を示すグラフである。
実施例4に記載されているように、検知電極へのGDC促進剤の添加有りおよび無しで作製した、対称的に対向配置されている電極を有する平面センサの、425℃における応答を示す。
実施例5に記載されているように、425℃における異なるベースラインガス中の、対称的に対向配置されている電極を有する平面センサの応答を示す、ターフェルプロットを比較するグラフである。
実施例5に記載されているように、3.3vol%O2、11.3vol%CO2、2vol%H2O(残りはN2)のベースラインガス組成物中の375℃におけるNOおよびHN3に対する、対称的に対向配置されている電極を有する平面センサの応答を示す、ターフェルプロットを比較するグラフである。
実施例5に記載されているように、5vol%O2および5vol%CO2(残りはN2)のベースラインガス組成物中のHN3に対する、対称的に対向配置されている電極を有する平面NOxセンサの相対応答(100ppmのNOに対して)を示すグラフである。
実施例6に記載されているように、350℃および0.1ボルトにおける、3.3vol%O2、11.3vol%CO2、2vol%H2O、1ppmSO2(残りはN2)のベースラインガス組成物中の100ppmのNO循環時の、対称的に対向配置されている電極を有する平面センサの作動を示すグラフであり、15時間後、800℃の熱処理によってセンサを再生させた。
実施例7に記載されているように、日本ガイシ製の市販のNOxセンサの応答と比較した、0.25ボルトがセンサに印加される、ガソリンエンジン排気のスリップ流中のバックグラウンド酸素レベルが16パーセントO2の、400℃における0から100ppmまでのNOx濃度の段階的変化に対する、対称的に対向配置されている電極を有する平面センサの応答を示すグラフである。
実施例8に記載されているように、両電極がGDC基板の同じ側に印刷されているセンサの図である。
実施例8に記載されているように、350℃における100ppmのNOに対する同一平面(same-plane)電極センサの応答を示すグラフである。
実施例9に記載されているように、GDC電解質膜の厚膜上に堆積させた櫛形電極で作製した同一平面電極センサを示す図である。
実施例9に記載されているように、センサ電極にわたって0.1ボルトが印加される、100ppmのNOへの繰り返される暴露に対する、GDC電解質膜の厚膜上に堆積させた櫛形電極で作製した同一平面電極センサの応答を示すグラフである。
実施例10に記載されているように、GDC電解質膜の厚膜上に堆積させた櫛形電極で作製した同一平面電極センサ設計の分解図を示す図であり、この設計は、200〜550℃の標的作動範囲までセンサ温度を上昇させるための加熱器部品も備える。
実施例1に記載されているように、対称的に対向配置されている電極を有する平面センサ素子を利用する集積センサの組立てに必要となる部品の図である。
実施例1に記載されているように、対称的に対向配置されている電極を有する平面センサ素子を利用する、ほぼ組み立てられた集積センサの図である。
実施例12に記載されているように、電極が厚膜の電解質の両側に印刷されているセンサ設計の図であり、この設計は、200〜550℃の標的作動範囲までセンサ温度を上昇させるための加熱器部品も備える。
実施例13に記載されているように、センサ電極にわたって0.1ボルトが印加される、100ppmのNOへの繰り返される暴露に対する、GDC電解質膜の厚膜上に堆積させた櫛形電極で作製した同一平面電極センサの応答を示すグラフである。]
[0030] 限られた範囲の電解質、電極、任意選択の触媒材料、促進剤、フィルタ材料および保護用吸着剤を参照することにより、本詳細な説明および以下の実施例において本発明の電気化学電池およびセンサについて説明する。しかしながら、これらの電気化学電池およびセンサが、広範囲のそのような材料で受け入れ可能な結果をもたらすことは、本明細書を考慮すると明らかである。加えて、例示的な電解質および電極膜厚について説明するが、本発明は、受け入れ可能な機械的完全性および電気化学応答を有するすべての膜厚を含む。]
[0031] 一実施形態において、本発明は、電解質層と、検知電極層と、対電極層とを備えるアンぺロメトリックセラミック電気化学電池を対象とする。この電池は、1種または複数種の窒素酸化物(NOx)および/またはアンモニア(NH3)の存在下、検知電極において酸素分子の還元促進を示すように、また結果として電池を通る酸素イオン束の増大を示すように酸化性雰囲気中で、また印加バイアス下で作動可能である。検知電極および対電極は、以下でさらに詳細に示すように、同じまたは異なる材料で作製することができる。加えて、電気化学電池をセンサで使用する場合に酸素基準が必要とならないように、検知電極と同じガス環境に対電極をさらすことができる。これにより、酸素基準を必要とする多くのセンサに優る大きな利点がもたらされる。同様に対電極を空気にさらすことも、または必要に応じて、本発明の電池を用いるセンサに酸素基準電極を設けることもできる。一実施形態において、電池は、1種または複数種の窒素酸化物の存在下、検知電極において酸素分子の還元促進を示すように、また酸化性雰囲気中の窒素酸化物の濃度に比例して結果として電池を通る酸素イオン束の増大を示すように作動可能である。別の実施形態においては、センサが、窒素酸化物の存在に対するその平衡応答の少なくとも60パーセントを1分未満で、より具体的には1秒未満で、より具体的には200ミリ秒未満で示すように作動可能である。本発明はまた、そのような電池を用いるセンサも対象とする。]
[0032] 別の実施形態においては、本発明は、約200〜550℃の作動温度でイオン伝導性である第1の材料の連続ネットワークを備える電解質層と、約200〜550℃の作動温度で電気伝導性である第2の材料の連続ネットワークを備える対電極層と、約200〜550℃の作動温度で電気伝導性である第3の材料の連続ネットワークを備える検知電極層とを備えるアンぺロメトリックセラミック電気化学電池を対象とする。この検知電極は、1つまたは複数の標的ガス種の存在下、電荷移動の増大を示すように作動可能である。一実施形態においては、電解質層の第1の材料は、特定の作動温度において酸素イオン伝導性である。さらなる一実施形態においては、この電解質層により、対電極層と検知電極層との間の物理的接触が防止され、電池は、約200〜550℃の作動温度で酸素イオンの伝導性を、また1つまたは複数の標的ガス種の存在下で抵抗の増大または減少を示すように作動可能である。本発明はまた、そのような電池を用いるセンサも対象とする。そのような一センサでは、センサが、追加の検知電極または酸素ポンンピング電流がない場合、酸素含有ガス流中の標的ガス濃度に応じて電気信号を発生するように作動可能である。]
[0033] さらに別の実施形態においては、本発明は、1つまたは複数のガス種のアンぺロメトリック検出用電気化学電池を対象とする。この電池は、イオン伝導性電解質膜と、電気伝導性セラミックを含む検知電極と、電気伝導性セラミック、サーメットまたは金属を含む対電極とを備え、この電気化学電池は、検知電極における酸素の還元、電解質を通じての酸素イオンの輸送、および対電極層における酸素イオンの再結合により電流を流すように作動可能である。特定の実施形態においては検知電極が、NOx(1種または複数種の窒素酸化物)、CO、CO2および/またはSOx(1種または複数種の硫黄酸化物)の存在下で酸素還元の変動触媒を示すように作動可能であり、またはより具体的には、NOおよびNO2の可逆吸着を、またNOx、CO、CO2および/またはSOxの存在下で酸素還元の変動触媒を示すように作動可能である。]
[0034] 追加の実施形態においては、本発明は、ガス種のアンぺロメトリック検出用電気化学電池を対象とする。この電気化学電池は、(a)Ca、Sr、Sc、Y、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Laまたはこれらの混合物をドープした酸化セリウム、Ca、Mg、Sc、Y、Ce、またはこれらの混合物をドープした酸化ジルコニウム、Y、V、Cu、Erまたはこれらの混合物をドープした酸化ビスマス、あるいはSr、Mg、Zn、Co、Feまたはこれらの混合物をドープした酸化ランタンガリウムを含むイオン伝導性電解質と、(b)Ca、Sr、Ba、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニドマンガン酸塩ペロブスカイト材料、Ca、Sr、Ba、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニドフェライトペロブスカイト材料、Ca、Sr、Ba、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニド輝コバルト鉱ペロブスカイト材料、Ca、Sr、Ba、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニドニッケル酸塩ペロブスカイト材料、あるいはCa、Sr、Ba、Mn、Fe、Co、Niまたはこれらの混合物をドープしたランタニド銅酸化物ペロブスカイト材料を含む検知電極と、(c)Ca、Sr、Ba、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニドマンガン酸塩ペロブスカイト材料、Ca、Sr、Ba、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニドフェライトペロブスカイト材料、Ca、Sr、Ba、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニド輝コバルト鉱ペロブスカイト材料、Ca、Sr、Ba、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニドニッケル酸塩ペロブスカイト材料、Ca、Sr、Ba、Mn、Fe、Co、Niまたはこれらの混合物をドープしたランタニド銅酸化物ペロブスカイト材料、あるいはNi、Fe、Cu、Ag、Au、Pd、PtもしくはIrまたはこれらの合金もしくはサーメットを含む金属材料を含む対電極とを備える。]
[0035] そのような電気化学電池の特定の一実施形態において、電解質は、Ca、Sr、Sc、Y、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Laまたはこれらの混合物をドープしたイオン伝導性酸化セリウムを含み、検知電極材料は、Ca、Sr、Ba、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニドフェライトペロブスカイト材料、あるいはCa、Sr、Ba、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニド輝コバルト鉱ペロブスカイト材料を含み、対電極材料は、Ca、Sr、Ba、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニドフェライトペロブスカイト材料、Ca、Sr、Ba、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニド輝コバルト鉱ペロブスカイト材料、あるいはNi、Fe、Cu、Ag、Au、Pd、PtもしくはIrまたはこれらの合金もしくはサーメットを含む金属材料を含む。より特定の一実施形態においては、電解質はイオン伝導性を有し、かつY、Nd、Sm、Gd、Laまたはこれらの混合物をドープした酸化セリウムを含み、検知電極はイオン伝導性および電子伝導性を有し、かつSrおよびCoをドープしたランタニドフェライトを含み、対電極は電子伝導性を有する。別の実施形態においては、電解質はイオン伝導性を有し、かつSmをドープした酸化セリウム電解質を含み、検知電極はイオン伝導性および電子伝導性を有し、かつランタンストロンチウムコバルトフェライトを含み、対電極は電気伝導性を有し、かつランタンストロンチウムコバルトフェライトを含む。]
[0036] 本発明の様々な電気化学電池の追加の実施形態においては、開示の電池およびセンサに適した電極材料として、ガドリニウムをドープしたセリア(GDCまたはCe1−xGdxO2−x/2、式中、Xが約0.05〜0.40の範囲に及ぶ)またはサマリウムをドープしたセリア(SDCまたはCe1−xSmxO2−x/2、式中、Xが約0.05〜0.40の範囲に及ぶ)が挙げられ、本明細書中に記載の組成物が含まれるが、これらに限定されない。イットリウムをドープしたセリア(YDC)、他のランタニド元素をドープした酸化セリウムあるいは2種またはそれ以上のランラニドまたは希土類元素をドープした酸化セリウムを含めた他のセラミック電解質材料も適切であることがある。開示のセンサに適したさらに他の電解質材料として、全体的または部分的にドープした酸化ジルコニウムを挙げることができ、イットリウム安定化ジルコニア(YSZ)およびスカンジウムをドープしたジルコニア(ScSZ)、アルカリ土類ジルコン酸塩およびセリウム酸塩、ドープ酸化ビスマス、式中Xが約0.05〜0.30の範囲に及び、Yが約0.05〜0.30の範囲に及ぶ(La1−xSrx)(Ga1−YMgY)O3−X/2−Y/2などのガリウム酸ランタン系セラミック電解質、主に酸素イオンの輸送により電気を伝導する他のセラミック材料、混合伝導性セラミック電解質材料、プロトン伝導性電解質材料、ならびに/あるいはこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。電解質基板と電極層との間に、GDC、SDCまたは別の適切な電解質材料の界面層を設けることもできる。GDC、SDC、または酸化アルミニウムセラミック基板もしくは電解質材料ではない他のセラミック基板材料上に最初に堆積される他の適切な電解質材料上に、さらなる検知電極を堆積させることもできる。]
[0037] 検知電極は、一般式(A1−XA’X)1−Z(B1−YB’Y)O3−δを有するペロブスカイト電極組成物でよく、式中、Aが3価のランタニド元素であり、A’が二価の希土類元素である。適切な電極材料として、(La,Sr)(Co,Fe)O3(LSCF)組成物が挙げられ、本明細書中に記載の特定の組成物が含まれるが、これらに限定されない。他の適切な電極材料として、(La,Sr)(Mn)O3(LSM)、(La,Sr)FeO3(LSF)、(La,Sr)CoO3(LSC)、LaNiO3、(La,Sr)CuO2.5(LSCu)、(Sm,Sr)CoO3(SSC)、(Pr,Sr)MnO3(PSM)、(Pr,Sr)FeO3(PSF)、(Pr,Sr)CoO3(PSC)、La(Mn,Co)O3(LMC)、La(Ni,Mn)O3(LNM)、La(Ni,Co)O3(LNC)およびLa(Ni,Fe)O3(LNF)が挙げられる。適切な電極材料はまた、イットリウムまたはランタニド系列のカチオンでランタンを全体的または部分的に置き換えられ、アルカリ土類系列のカチオンでSrを全体的または部分的に置き換えられることによる、上に挙げた上記電極材料群の変異体でもよく、例として(Ba,Sr)(Co,Fe)O3(BSCF)が挙げられるが、これらに限定されない。適切な電極材料はまた、上に挙げた電極群の固溶体が生成されることによる変異体でもよく、たとえば、(La,Sr)(Mn,Co)O3(LSMC)、(Pr,Sr)(Mn,Co)O3(PSMC)および、(Pr,Sr)(Mn,Fe)O3(PSMF)がある。さらに、適切な電極材料は、構造のBサイト上に他の遷移金属をドープした、上に挙げた電極材料のドープ型でもよく、たとえば、(La,Sr)(Zn,Fe)O3(LSZF)、(La,Sr)(Mg,Fe)O3(LSMgF)、(La,Sr)(Ni,Fe)O3(LSNF)および(La,Sr)(Cu,Fe)O3(LSCuF)がある。さらに、層状ペロブスカイト、ブラウンミレライトおよび他の誘導体構造を含めた非ペロブスカイト電極材料も適しており、イットリウムバリウム銅酸化物(YBCO)、La2NiO4、およびGdBaCuO5、Sr2Co2O5、Sr2Fe2O5、Sr2FeCoO5およびSr2Mn2O5が含まれるが、これらに限定されない。]
[0038] 検知電極は、電極材料(上記電極のいずれか)と電解質材料(上記電解質配合のいずれか)とを含む複合電極でもよい。対電極組成物は検知電極組成物と同じであっても、または対電極は検知電極とは異なる組成を有していてもよい。適切な対電極として、先に挙げた材料と共に、以下のいずれか、Ag、Au、Pt、Pd、Ru、Ir、Rh、これらの合金、または酸素イオンの分子酸素への再酸化を触媒することが知られている他の導電性材料が挙げられる。]
[0039] 性能を向上させるために、触媒または電極触媒促進剤を、電極、特に検知電極に含めることができる。性能を向上させるために任意選択で電極材料に組み込むことができるそのような促進剤として、以下または以下の任意の組合せ、Ag、Au、Pt、Pd、Ru、Ir、Ni、Fe、Cu、Sn、V、Rh、Co、W、Mo、U、Zn、Mn、Cr、Nbまたは炭化水素の酸化を触媒することが知られている他の組成物、CO、NH3、炭素およびセンサ応答に干渉することができる他の還元剤が挙げられるが、これらに限定されない。この促進剤が炭素酸化を触媒している場合、促進剤は汚染からのセンサの保護も補助する。追加の実施形態においては、促進剤は、セリウムもしくはドープした酸化セリウム、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含むことができる。加えて、特定の実施形態においては、促進剤を添加して、ガス流中のNO対NO2比の平衡を保つ、NOxまたはNH3の吸着、すなわち、NOxまたはNH3吸着の容量または速度を促進する、NOをNO2へと酸化する、またはNOxの存在下酸化還元を選択的に高めることができる。]
[0040] NOxの吸着の容量または速度を高めるために添加することができる促進剤として、カリウム、バリウム、ナトリウム、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、マグネシウムおよびリチウム、あるいは他のアルカリまたはアルカリ土類金属、ならびにこれらの材料の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。促進剤を添加して、NOxがない場合には電池の電気抵抗を下げる、すなわち、NOxがない場合にはセンサ電極上での酸化還元を低減させることもでき、したがって、センサの作動範囲(温度、電圧等)にわたってNOx選択性を向上させることができる。この実施形態においては、促進剤を阻害剤と見なすことができる。そのような促進剤として、塩素、フッ素、カリウム、バリウム、ナトリウム、カルシウム、ランタン、ストロンチウム、マグネシウムおよびリチウム、あるいはこれらの材料の任意の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。促進剤を添加して、SOx、NH3または他のガスに対する選択性を高めることにより、これらのガスの検出に合わせて調整することもできる。]
[0041] 異なる形態のセンサを結合させて、複数のガスを検出し選択性を高めることもできる。たとえば、La1−XSrXFe1−YCoyO3−δ(LSCF)電極を有するGdXCe1−XO2−X/2(GDC)セラミック電解質膜は、NH3に対してよりもNOxに対してより高い選択性を有する。これらのセンサを適当な電子機器と組み合わせることによって、NOxに対する応答もアンモニアに対する応答も識別することができる。]
[0042] 粒子状物質、すす、硫黄化合物、シリコン化合物、エンジンオイル汚染物質(リン、亜鉛およびカルシウム化合物など)、鉛、道路用塩ならびに他の適用汚染物質を含めた、排気流中の毒物からセンサを保護するために、フィルタ材料および/または保護用吸着材料を添加することもできる。これらの保護用材料は、電極または電解質材料組成物に添加することも、電極層に染み込ませることも、または電極層上へのコーティングとして塗布することもできる。特定の一実施形態においては、保護用材料を電池上に印刷して電極を覆う。これらの材料は構造上多孔質であってよく、これらの材料として、ゼオライト材料、酸化アルミニウム、電解質材料(先に挙げた)、酸化モリブデン、酸化亜鉛、酸化タングステン、あるいは物理的もしくは化学的フィルタを提供し、かつ/またはこれらの汚染物質を優先的に吸着するための親和力を有する他の任意の材料が挙げられるが、これらに限定されない。]
[0043] 最適なNOx選択性に向けて、印加バイアスを約0.01〜約1ボルトとして、またはより特定の実施形態においては、印加バイアスを約0.05〜約0.4ボルトとして、もしくは印加バイアスを約0.1〜約0.5ボルトとして、200〜550℃の範囲でセンサを作動させる。アンモニア、SO2、CO2、O2など他のガスに対する選択性を実現するために、作動温度範囲を変更することができる。加えて、印加電圧は、一定であっても変動してもよい。特定の一実施形態においては、指示された範囲内では一定の印加バイアスでセンサを作動させる。あるいは、異なる範囲または交互極性モードへと変更する印加バイアスでセンサを作動させることもでき、それにより負の印加電圧と正の印加電圧との間で電圧が循環する。この循環の周波数は、センサの感度、選択性および耐毒性を高めるように調節することもできる。より高い温度または印加電圧、すなわち循環電圧など、異なる作動条件にセンサを周期的にさらして、硫黄、シリカ、炭化水素、粒子状物質または他の汚染物質による被毒を除去および/または防止することができる。たとえば、2種の異なる電極材料、NOxに対して敏感な一方の材料と、NH3に対して敏感な第2の材料とでセンサデバイスを構成し、これら電極にかかる印加電圧の極性および/または大きさを交互にすることによって、NOxもNH3も単一のセンサで測定することができる。]
[0044] 特定の一実施形態においては、電解質層と、検知電極層と、対電極層とを備える本発明による電気化学電池が、1種または複数種の窒素酸化物(NOx)の存在下、検知電極において酸素分子の還元促進を示すように、また結果として電池を通る酸素イオン束の増大を示すように酸化性雰囲気中で、また第1の印加バイアス下で作動可能であり、かつNH3の存在下、検知電極において酸素分子の還元促進を示すように、また結果として電池を通る酸素イオン束の増大を示すように酸化性雰囲気中で、また第1の印加バイアスとは異なる第2の印加バイアス下で作動可能である。別の実施形態においては、電解質層と、第1の電極層と、第2の電極層とを備える本発明による電気化学電池が、1種または複数種の窒素酸化物(NOx)の存在下、第1の電極において酸素分子の還元促進を示すように、また結果として電池を通る酸素イオン束の増大を示すように酸化性雰囲気中で、また第1の印加バイアス下で作動可能であり、かつNH3の存在下、第2の電極において酸素分子の還元促進を示すように、また結果として電池を通る酸素イオン束の増大を示すように酸化性雰囲気中で、また第1の印加バイアスとは異なる第2の印加バイアス下で作動可能である。あるいは、センサが、本発明による電池の組合せを備えることもできる。そのような特定の一実施形態においては、センサが、(a)電解質層と、検知電極層と、対電極層とを備える第1のアンペロメトリックセラミック電気化学電池と、(b)電解質層と、検知電極層と、対電極層とを備える第2のアンペロメトリックセラミック電気化学電池とを備え、第1のアンペロメトリックセラミック電気化学電池は、1種または複数種の窒素酸化物(NOx)の存在下、検知電極において酸素分子の還元促進を示すように、また結果として電池を通る酸素イオン束の増大を示すように酸化性雰囲気中で、また第1の印加バイアス下で作動可能であり、かつこの酸化性雰囲気中で作動可能であり、第2のアンペロメトリックセラミック電気化学電池は、NH3の存在下、検知電極において酸素分子の還元促進を示すように、また結果として電池を通る酸素イオン束の増大を示すように第1の印加バイアスとは異なる第2の印加バイアス下で作動可能である。]
[0045] 本発明の電池およびセンサは、様々な適用環境に適合するように構成することができ、構造安定性(structural robustness)をもたらすための修正が加えられ、センサ温度を制御するための加熱器が加えられ、電解質形状ならびにセンサ全体の寸法および形状に修正が加えられ、センサを収容し保護するための外装およびシールドを有し、アプリケーションにセンサ信号を伝達するための適当なリード線および配線を有する基板を備えることができる。平面形状にも管形状にもセンサ技術が適用可能である。加えて、電極形態が異なる複数の電気化学電池を単一のセンサデバイスで採用して、複数のガス種の検知を可能にすることもできる。電極は同じ側に位置していても、または電解質層の対向する側に位置していてもよい。加えて、センサは、信号レベルを増大させるために複数の電気化学電池を備えることができる。例示的な実施形態として、電極層が電解質層のそれぞれの側で互いに対称的に対向配置され、それにより酸素イオン電流がある厚さの電解質中を流れ、電極層が電解質層の一表面上に横方向に間隔を置いて配置され、電極層間の電解質層の表面には被覆されていない領域があり、電極層が、それらの間に最小限の電極経路長を維持しながら異極性電極の櫛形設計または互いにかみ合う設計(interdigitated or interlocking design)を形成するように、互いに間隔を置いて設けられ、かつ/あるいは電解質層が中空の管状構造を有し、電極層が電解質層の内部および/または外部に塗布される電気化学電池およびセンサが挙げられるが、これらに限定されない。一構成においては、電解質が多孔質成分であり、電極層間の物理的接触を防止する。]
[0046] 基板を、たとえば、機械的支持を提供するように、記載の電気化学電池と共に本発明のセンサに含めることができ、この基板は、任意の適切な絶縁材料、たとえば、絶縁セラミックまたは絶縁材料を被覆した金属もしくはサーメット材料を含むことができる。一実施形態においては、センサが、ジルコニア基板、より具体的には、イットリウム安定化ジルコニア(YSZ)基板を備える。このセンサは、電解質および電極から電気的に絶縁されている加熱器を任意選択で備えることができる。加熱器は、たとえば、白金、銀などが含まれるがこれらに限定されない導電性金属から形成される抵抗加熱器でよい。加熱器は、たとえば、基板に塗布または埋め込むことでき、酸化アルミニウムなど別の絶縁層を介して電池に塗布することができる。]
[0047] 本発明において記載されているアンペロメトリックセンサの様々な特徴および利点が、以下の実施例に基づき説明するデバイスおよび結果から明らかとなるであろう。]
[0048] 実施例1:センサ作製および試験方法
対称的に電極を配置した(electroded)電解質膜ディスクを使用して、実施例2〜7で説明するように本発明の基本的な検知特性を試験し、検知機構を確認した。ガドリニウムをドープしたセリア(Ce0.9Gd0.1O1.95、GDC)電解質膜を、その両側に塗布した(La0.60Sr0.40)(Co0.20Fe0.80)O3−δ(LSCF)電極と共に用いて、平面電池を作製した。図1aに示すディスク状の電解質膜は、有効厚さが40ミクロンである自己支持型(self-supporting)GDC電解質膜で構成される。参照によりその全体が本明細書中に援用される米国特許出願第11/109,471号(US2006/0234100A1として2006年10月19日に公開)に開示されているように、この膜は、膜層と同時に焼結される厚さ約100ミクロンの穿孔設計の追加のより厚いドープセリア層によって、機械的に支持される。図1bに示すように、センサの活性領域は、膜ディスクの両側に対称的に堆積されその後アニールされる蒸着電極の面積で画定される。] 図1a 図1b
[0049] 試験では、温度が200〜550℃の近似範囲にわたって制御される模擬燃料希薄(fuel−lean)ディーゼル排気雰囲気中にセンサを設置し、約0.1〜0.5ボルトの範囲の定電圧を電池に印加する。様々なガス(NOx、NH3および/またはSOx)を模擬ディーゼル排気雰囲気に導入しながらセンサと直列の分流抵抗器にかかる電圧を測定して、電池を流れる電流を決定する。試験構成を図2に示す。] 図2
[0050] 実施例2:検知機構の実証
本実施例では、本発明の開示の検知機構を実証するために実験を行った。具体的には、電圧の印加中にNOxが還元されず、検知電極では酸素のみが還元され、その後その酸素イオンが対電極で分子酸素に再酸化されることを示すために実験を計画した。これらの実験では、実施例1で説明しやようにセンサを作製した。検知電極と対電極とが互いに密封され、対電極は空気にさらされ、検知電極は検知されるガス流にさらされるように、試料を試験室にロードした。ガス組成物をセンサの下流でモニタして、電気化学電池がガス組成物に及ぼす影響を割り出した。印加電圧の掃引中、対応する酸素濃度の低下が観察され、このことは、電池の中に酸素が送り込まれていることを示していた(図3参照)。酸化窒素組成の変化の不足は、酸化窒素がそのプロセス中に消費されていないが、NOxの存在下では電流が大きいため、酸素還元に触媒効果を及ぼすことを示す。この試験において実現される電流の増大は、窒素へのNO還元により可能な量を超え、このことは、センサの応答が、NOx還元に基づくアンペロメトリックセンサよりも高いことを意味することに留意されたい。] 図3
[0051] 図4および図5に示すように、NOxが吸着されている限り、NOまたはNO2の触媒効果は存在する。図4においては、0.4ボルトの印加電圧でセンサを作動させながら、ガス流に100ppmのNOを添加し、電流を増大させている。酸素レベルを調節するとわずかに電流が変化するが、NOを取り除いた場合に著しく影響を受けるわけではない。一方、供給物に二酸化炭素を添加すると、センサからのNOの脱着が観察され、電流が低下する(図5参照)。実際の炭化水素燃焼排ガスにおいては、CO2が常に存在し、NOxへの暴露からのセンサの急速な回復が可能となる。加えて、実際の検知環境においては、検知電極と対電極とを互いに密封する必要はなく、検知されるガスに両電極をさらすことができる。] 図4 図5
[0052] 実施例3:NOxに対する応答感度の実証
本実施例では、NOおよびNO2に対するセンサの応答特性を評価し、検知機構が印加電圧、排気ガス雰囲気および温度の範囲にわたって有効で、かつNOおよびNO2に有効であることを実証するために実験を行った。実施例1で説明したようにセンサを作製した。その後、両電極が同じガス環境にさらされるように、センサを試験室にロードした。この構成において、変動印加電圧における変動雰囲気に対する425℃でのセンサの応答性を、ターフェルプロットの形で図6に示す。これらの試験について、2種の異なるベースラインガスを調べた。] 図6
[0053] (1)λ=1.2ガスは、3.3vol%のO2、11.3vol%のCO2、2vol%のH2O、残りの不活性ガス(N2)を含有していた。]
[0054] (2)λ=1.7ガスは、8.3vol%のO2、8.1vol%のCO2、2vol%のH2O、残りの不活性ガス(N2)を含有していた。]
[0055] 各ベースラインガスについて、NO(100および1000ppm)の影響を調べた。図6および図7に見られるように、NOの存在により、ベースラインガスの組成を変化させることによって生じる電流の差よりもはるかに、印加電圧の範囲にわたって酸素還元電流が増大する。このことは、約550℃以下で行った試験にも当てはまるが、約200℃におけるベースライン電流は、正確な測定では非常に小さい。] 図6 図7
[0056] NOおよびNO2に対するセンサの相対感度を定量化するための実験も行った。実施例1で説明したようにセンサを作製し、そのNOおよびNO2に対するセンサの相対感度について評価した。この実験においては、ガス混合室にセンサを設置し、このガス混合室を介して、模擬排気ガス(5vol%O2、5vol%CO2、3vol%H2O、10ppmのNO2、残りN2のベースライン)を200sccmの一定流量で導入した。NOおよびNO2試験ガスをそれぞれ別々にガス流に混合し、得られたアンペロメトリックセンサ出力を、先に説明した試験構成において測定した。図8に示すように、センサの応答は、NOxがNOの形で存在するかNO2の形で存在するかには無関係である。酸素の存在下では、NOおよびNO2が置換可能に(interchangeably)電極表面に生じる可能性が高い。図8が示すように、センサは、100ppmのNOおよびNO2のピークを比較すると、NOおよびNO2に対して同等の感度を示す。これにより、センサ表面上の吸着NOおよびNO2が酸素還元反応を触媒する機構がさらに支持される。対照的に、NO2およびNOをN2およびO2に還元することに基づくセンサ技術では、NOに対する感度よりも2倍大きいNO2に対する感度を示す。図8はまた、NOx濃度の15ppmから1000ppmまでの変化に対するセンサ反応の差も示し、この広い範囲にわたってセンサ反応の比例を実証している。] 図8
[0057] 実施例4:NOx感度に対する促進剤添加の影響の実証
本実施例では、電極への促進剤の添加に対するセンサ反応特性の影響を調べた。実施例1で説明したようにセンサを作製した。その後、インシピエントウェットネス(Incipient Wetness)法を用いて、センサの電極に硝酸セリウム水溶液を染み込ませた。その後、染み込ませたセンサを乾燥させアニールし、電極内に分散セリア相を残した(電極の約5重量パーセント)。図9に示すように、セリアを染み込ませたセンサは、模擬排気流中425℃および0.25ボルトで試験した場合、染み込ませていないセンサよりも高い電流密度を示し、NO2に対して大きい応答を示した。したがって、染み込ませたセンサは、所与の電極面積当たりの電流がより大きく、NOxへの暴露中の電流の変化が大きいという利点を有し、所与の電極面積について対応する信号強度が改善される。] 図9
[0058] 実施例5:アンモニアに対する応答感度の実証
本実施例では、アンモニアに対するセンサの応答特性を評価した。実施例1で説明したようにセンサを作製した。背景ガス配合物のそれぞれに100ppmのアンモニアを加え、応答を測定した。図10は、変動印加電圧における変動雰囲気に対する425℃におけるセンサの応答性を、ターフェルプロットの形で示す。図10に見られるように、NH3の存在により、ベースラインガスを変化させることによって生じる電流の差よりもはるかに、印加電圧の範囲にわたって酸素還元電流が増大する。このことは、約550℃以下で行った試験にも当てはまるが、約200℃におけるベースライン電流は、正確な測定では非常に小さい。図11と比較すると、NOxおよびNH3に対するセンサの相対応答が、作動電圧および作動温度に依存していることが示される。より低い温度およびより高い電圧においては、等価条件でNOx応答がアンモニア応答よりも大きくなる。したがって、異なる温度および/または電圧で複数のセンサを用いることによって、または単一のセンサの電圧を交互に入れ替えることによって、結合させたNOxおよびアンモニアセンサを構想することができる。] 図10 図11
[0059] この概念を図12に示す。この実験においては、0〜30ppmの範囲に及ぶ濃度でNH3を導入した。このセンサは、より高い温度およびより低い印加電圧の条件(425℃、0.1ボルト)下ではアンモニアに対して強い交差感度を示したが、より低い温度およびより高い印加電圧の条件(350℃、0.4ボルト)では、はるかに低い感度を示した。30ppmでは、アンモニア感度が、425℃の条件下は100ppmのNOに対する応答のほぼ30パーセントであったが、350℃の条件で11パーセントのみまで反応が低下した。センサの電子機器コントローラによりこれらの作動条件を操作することによって、NOx応答に対するアンモニアのこの可変感度により、NOx濃度もNH3濃度も共に、単一のセンサにおいて測定することが可能となる。] 図12
[0060] 実施例6:SOxの存在するNOx感度の実証
標的とされるディーゼル排気用途において、NOxセンサは、連続的または断続的に様々なSOxレベルにさらされることがある。この実施例においては、SOxに対するセンサの感度を評価した。実施例1に記載されているようにセンサを作製し、模擬排気流に1ppmのSOxを注入することによって、SOxに対する感度について試験した。図13が示すように、応答性の20パーセント低下が15時間かけて観察されたが、温度を800℃まで上昇させることによって、この低下の完全な回復(reversal)が観察された。このことから、センサデバイスの電子機器を、SO2がセンサ応答に及ぼす影響を軽減する手段として、高い温度への周期的な偏移(excursion)に配慮して設計することが可能となる。理想的な構成においては、この偏移は炉を加熱することを不要とし、したがって、はるかに速く行うことができる。] 図13
[0061] 実施例7:応答時間の実証:
本実施例においては、NOxを検出するためのセンサの応答時間を、ガソリンエンジン動力計の排気流において評価した。実施例1に記載されているようにセンサを作製し、その後鋼ワッシャ(steel washer)間にクランプし、排気ガス温度を400〜450℃まで上昇させるためのガス加熱器が装備されている三元触媒後排気のスリップ流(slip stream)内に取り付けた。8.9パーセントO2および8.7パーセントCO2を含有する排気状態で、エンジンを安定化させた。NOおよびNO2を1〜100ppmの範囲に及ぶ濃度で、ボトル入りガスボンベから排気流に直接センサのすぐ上流で注入した。図14に示すように、センサの安定化出力の60パーセントに到達する時間と決定される、約180mSの応答時間が観察された。日本ガイシ(NGK)製の市販のNOxセンサを同じようにして試験し、このセンサの応答も図14に示す。このNGKセンサの応答時間は2〜3秒程度と、開示のセンサよりも一桁遅かった。さらに、開示のセンサの応答時間は、文献に報告されている他のアンペロメトリックおよび電位差測定(potentiometric)技術よりもはるかに速い。] 図14
[0062] 実施例8:GDC電解質の同じ側に電極を印刷した平面センサ
製造可能性改善のため、両電極を電解質基板の一方の面に印刷したセンサを構築した。本実施例では、厚さ約0.3mmのGDCセラミック電解質ディスクの一方の面に、LSCF電極を印刷した。図15に示すように、基板は、それらの間に約0.3mmの隙間を有する半円形状であった。その後、LSCF電極パターンの上に金を印刷して、電流収集を容易にした。試験では、センサを、模擬燃料希薄ディーゼル排気雰囲気中に設置し、炉加熱により350℃まで加熱し、約0.1ボルトの定電圧を電池に印加した。センサと直列の100オームの分流抵抗器にかかる電圧を測定して、電池を流れる電流を決定した。このセンサ構成の応答を図16に示し、100ppmのNOに対して繰り返し可能な段階的に変化する応答を示す。] 図15 図16
[0063] 実施例9:同一平面の櫛形電極構成、GDC厚膜
本実施例においては、センサ設計の製造可能性を改善するために、実施例8にさらなる設計修正を行った。本実施例においては、GDCの厚膜(厚さ約0.050mm)を、イットリウム安定化ジルコニア(8mol%Y2O3またはYSZ)基板(厚さ約0.150mm)上に印刷し、焼結させてGDC電解質膜を緻密化した。図17に示すように、このGDC厚膜の上に、櫛形電極(interdigitated electrode;インターディジタル電極)パターンでLSCF電極を印刷した。その後、LSCF電極パターンの上に金を印刷して、電流収集を容易にした。試験では、センサを、模擬燃料希薄ディーゼル排気雰囲気中に設置し、炉加熱により350℃まで加熱し、約0.1ボルトの定電位を電池に印加した。センサと直列の分流抵抗器にかかる電圧を測定して、電池を流れる電流を決定した。このセンサ構成の応答を図18に示し、100ppmのNOに対して繰り返し可能な段階的に変化する応答を示す。] 図17 図18
[0064] 実施例10:加熱器を一体化した櫛形電極構成
本実施例においては、排気環境で使いやすくするために、実施例9にさらなる設計修正を行った(図19)。この設計においては、幅6mm×長さ50mmの公称寸法のYSZ基板の端部から約10〜15mmの長さにわたって、GDCの厚膜を塗布する。このGDC印刷の上に、櫛形電極パターンでLSCF電極を塗布し、同じIDEパターンで金を塗布して、データ収集システムに信号を戻す。別個の加熱器をこの検知素子に取り付けて、センサの温度を標的作動温度に制御することを可能にする。この抵抗加熱器は、Ptまたは他の貴金属合金から作製し、YSZ部品と同じ公称寸法の酸化アルミニウム基板に塗布する。この加熱器は、高温セラミック接着剤を用いてYSZ部品に取り付ける。あるいは、YSZ層を酸化アルミニウムと置き換えることもでき、センサと加熱器部品とを1つのモノリシック部品とすることが可能となる。任意選択の多孔質保護コーティングを塗布して、粒子状物質から活性検知領域を保護することもできる。] 図19
[0065] 実施例11:対称的に電極を配置した平面センサ素子用センサパッケージ
本実施例では、実施例1に記載されているように作製した、対称的に電極を配置した検知素子を利用するためのパッケージ手法について説明する。このパッケージ設計の図を図20に示す。センサの組立てには4つの部品が必要となる。アルミナの2つのピースは、センサクーポン(sensor coupon)用の筺体となる。底部部品は、検知ガスへの暴露用の穴と、アルミナフェルトの部品を設置する陥凹部(recess)とを含む。フェルトは、アルミナ部品を互いに貼り付けた際にセンサが押しつぶされないようにする従属性材料(compliant material)である。その後、アルミナフェルト上にセンサクーポンを設置する。クーポンは、電極がそれぞれの側にある固体平面セリア電解質で構成される。金属製(たとえば、金または白金)パッドを各電極上に印刷し、センサの底部のパッドは電解質内の穴に通じる。この穴に金属インクを充填して、上部電極としてのクーポンの同じ側に対する底部電極の接触を確立する。アルミナとアルミナとを結合させるセラミック接着剤(cement)などの接着剤(接着剤の配置については図21を参照のこと)によって、底部部品に上部アルミナ部品を取り付ける。上部部品は、その電極に送り込まれている酸素の逃げを可能にするチャネル(または穴)を含む。これら電気パッドは、上部アルミナ部品の上部または底部に塗ってもよい。図20に示すように上部に塗った場合、上部部品には、金属インクで充填されることになる穴が必要となる。この構成においては、クーポンは、導線により上部アルミナ部品に機械的に取り付けられることになる。これには、センサが陥凹部内で動きまわることを防止する利点があるが、不利な点は、導線がこの結合部で断線する可能性があり、電気的接触が失われてしまうことである。] 図20 図21
[0066] 図21に示す構成においては、上部アルミナ部品の底部に導線が設置されている。この構成により、クーポン上の導線とアルミナ上の導線とが電気的に接続されるが、機械的には接続されていない。この手法の利点は、断線し接触を失う機械的結合点がないことである。フェルトのバネ定数により、2つの接点の接続が維持される。しかしながら、この手法には、クーポンが滑り回る可能性がある点で不利な点があり、可能性のある断線または振動により、瞬間的に(またはフェルトのバネ定数が変化する場合には時間をかけて)電気的接続が失われることがある。] 図21
[0067] いずれの構成においても、センサの一方の面または両面に加熱器が設置されることになる。対称的な組立体も、第2のセンサ組立体を加熱器の反対側に設置する。これにより、二重のセンサ出力、またはアンモニアなど別の種の検出が可能となることもある。さらなる保護用のシールド内に、(1つまたは複数の)センサを設置することになる。センサの底部は、シールドから延在し、電気的接続に至るはずである。市販の酸素センサの場合のように、底部のシーラントにより、センサ素子がシールドに接着され、このシーラントは、排気ガスが逃げないようにする。]
[0068] 実施例12:厚膜電解質層の両面に堆積させた電極を有するセンサ
本実施例においては、厚膜GDC電解質層の両側に電極を印刷した代替のセンサ構成を設計した(図22)。この設計においては、幅6mm×長さ50mmの公称寸法のYSZ基板上に、対電極を堆積させる。この対電極を覆って、GDCの厚膜(約0.20〜0.50mm)を塗布する。GDC印刷を覆ってLSCF検知電極を塗布し、LSCFを覆って金を塗布して、データ収集システムに信号を戻す。この構成により、実施例10の櫛形電極の手法と比較して、電極間の離間距離(GDC層の厚さで決まる)が最小限に抑えられ、この場合、電極間の間隔は、電極インクのスクリーン印刷またはインクジェット印刷など製造方法の性能によって制限される。再結合した酸素ガス分子が対電極からセンサを出ることを可能にするために、多孔質または一過性のガス出口が対電極の真下に備わっている。あるいは、十分な多孔性に配慮して電解質層または対電極を設計して、酸素の排出を可能にすることもでき、したがって、ガス出口の必要性が排除される。] 図22
[0069] この検知素子に別個の加熱器を取り付けて、センサ温度を標的作動温度まで制御することを可能にする。抵抗加熱器は、Ptまたは他の貴金属合金から作製し、YSZ部品と同じ公称寸法の酸化アルミニウム基板に塗布する。この加熱器は、高温セラミック接着剤を用いてYSZ部品に取り付ける。あるいは、YSZ層を酸化アルミニウムと置き換えることもでき、センサと加熱器部品とを1つのモノリシック部品とすることが可能となる。任意選択の多孔質保護コーティングを塗布して、粒子状物質から活性検知領域を保護することもできる。]
[0070] 本実施例では、窒素酸化物に対する応答を示す電極組成物の変形について説明する。実施例9で説明した構成および手順と同じ構成および手順でセンサを用意した。しかしながら、センサ上にLSCF電極を印刷する代わりに、促進剤として1wt%のパラジウムを添加した、50wt%の(La0.60Sr0.40)(Zn0.10Fe0.90)O3−δ(LSZF)と、50wt%のGDCとの複合材料を、櫛形パターンでGDC膜上に印刷した。電極上には金導線を印刷した。試験では、センサを、模擬燃料希薄ディーゼル排気雰囲気中に設置し、炉加熱により350℃まで加熱し、約0.1ボルトの定電位を電池に印加した。センサと直列の分流抵抗器にかかる電圧を測定して、電池を流れる電流を決定した。このセンサ構成の応答を図23に示し、100ppmのNOに対して繰り返し可能な段階的に変化する応答を示す。] 図23
実施例

[0071] 本明細書中で説明した特定の実例および実施形態は、本質的に例示にすぎず、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものではない。さらなる実施形態および実施例、ならびにこれらの利点は、本明細書を考慮すれば当業者には明らかとなるものであり、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲内にある。]
权利要求:

請求項1
電解質層と、検知電極層と、対電極層とを備えるアンペロメトリックセラミック電気化学電池であって、1種または複数種の窒素酸化物(NOx)および/またはアンモニア(NH3)の存在下、該検知電極において酸素分子の還元促進を示すように、また結果として電池を通る酸素イオン束の増大を示すように酸化性雰囲気中で、また印加バイアス下で作動可能である電気化学電池。
請求項2
約200〜550℃の温度範囲において、より具体的には、約250〜約450℃の温度範囲において、1種または複数種の窒素酸化物の存在下、検知電極において酸素分子の還元促進を示すように、また結果として電池を通る酸素イオン束の増大を示すように作動可能である、請求項1に記載の電気化学電池。
請求項3
一定の印加バイアスが、約0.1〜約1ボルトの範囲内、より具体的には、約0.1〜約0.4ボルトの範囲内にある、請求項1に記載の電気化学電池。
請求項4
酸化性雰囲気中の窒素酸化物の濃度に比例して、1種または複数種の窒素酸化物の存在下、検知電極において酸素分子の還元促進を示すように、また結果として電池を通る酸素イオン束の増大を示すように作動可能である、請求項1に記載の電気化学電池。
請求項5
請求項1に記載の電気化学電池を備える電気化学センサ。
請求項6
窒素酸化物の存在に対するその平衡応答の少なくとも60パーセントを1分未満で、より具体的には1秒未満で、より具体的には200ミリ秒未満で示すように作動可能である、請求項5に記載の電気化学センサ。
請求項7
約200〜550℃の作動温度でイオン伝導性である第1の材料の連続ネットワークを備える電解質層と、約200〜550℃の作動温度で電気伝導性である第2の材料の連続ネットワークを備える対電極層と、約200〜550℃の作動温度で電気伝導性である第3の材料の連続ネットワークを備える検知電極層であって、1つまたは複数の標的ガス種の存在下、電荷移動の増大を示すように作動可能である検知電極層と、を備えるアンペロメトリックセラミック電気化学電池。
請求項8
電解質層により、対電極層と検知電極層との間の物理的接触が防止され、電池が、約200〜550℃の作動温度で酸素イオンの伝導性を示すように、また、1つまたは複数の標的ガス種の存在下で抵抗の増大または減少を示すように作動可能である、請求項7に記載の電気化学電池。
請求項9
追加の検知電極または酸素ポンンピング電流がない場合、酸素含有ガス流中の標的ガス濃度に応じて電気信号を発生するように作動可能である、請求項7に記載の電気化学電池を備える電気化学センサ。
請求項10
電極層が電解質層のそれぞれの側で互いに対称的に対向配置され、それにより酸素イオン電流がある厚さの電解質中を流れる、請求項1から4、7および8のいずれかに記載の電気化学電池。
請求項11
電極層が電解質層の一表面上に横方向に間隔を置いて配置され、該電極層間の該電解質層の表面には被覆されていない領域がある、請求項1から4、7および8のいずれかに記載の電気化学電池。
請求項12
電極層が、それらの間に最小限の電極経路長を維持しながら異極性電極の櫛形設計または互いにかみ合う設計を形成するように、互いに間隔を置いて設けられる、請求項11に記載の電気化学電池。
請求項13
電解質層が中空の管状構造を有し、電極層が該電解質層の内部および/または外部に塗布される、請求項1から4、7および8のいずれかに記載の電気化学電池。
請求項14
電解質層が多孔質成分を含み、電極層間の物理的接触を防止する、請求項1から4、7および8のいずれかに記載の電気化学電池。
請求項15
絶縁セラミックまたは絶縁体を被覆した金属もしくはサーメット材料を含む、電気化学電池用の基板をさらに備える、請求項5、6または9に記載の電気化学センサ。
請求項16
電気化学電池の電極層および電解質層から電気的に絶縁されている、基板に塗布または埋め込まれた電気加熱素子をさらに備える、請求項15に記載の電気化学センサ。
請求項17
多孔質材料の保護層をさらに備える、請求項5、6または9のいずれかに記載の電気化学センサ。
請求項18
1つまたは複数のガス種のアンぺロメトリック検出用電気化学電池であって、イオン伝導性電解質膜と、電気伝導性セラミックを含む検知電極と、電気伝導性セラミック、サーメットまたは金属を含む対電極と、を備え、該検知電極における酸素の還元、該電解質を通じての酸素イオンの輸送、および該対電極層における酸素イオンの再結合により電流を流すように作動可能である電気化学電池。
請求項19
検知電極が、NOx、NH3、CO、CO2および/またはSOxの存在下で酸素還元の変動触媒を示すように作動可能である、請求項18に記載の電気化学電池。
請求項20
検知電極が、NOおよびNO2の可逆吸着を、またNOx、NH3、CO、CO2および/またはSOxの存在下で酸素還元の変動触媒を示すように作動可能である、請求項18に記載の電気化学電池。
請求項21
検知電極が触媒促進剤または電極触媒促進剤を含む、請求項18から20のいずれか一項に記載の電気化学電池。
請求項22
触媒促進剤または電極触媒促進剤が、セリウムまたはドープ酸化セリウムを含む、請求項21に記載の電気化学電池。
請求項23
検知電極が、NO、NO2および/またはNH3の吸着容量または吸着速度を高めるために触媒促進剤または電極触媒促進剤を含む、請求項18から20のいずれか一項に記載の電気化学電池。
請求項24
触媒促進剤または電極触媒促進剤が、NOをNO2に酸化する材料を含む、請求項23に記載の電気化学電池。
請求項25
触媒促進剤または電極触媒促進剤が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む、請求項23に記載の電気化学電池。
請求項26
触媒促進剤または電極触媒促進剤が、K、Na、Li、Mg、Ca、Sr、Ba、Co、PtおよびFeのうちの1種または複数種を含む、請求項23に記載の電気化学電池。
請求項27
検知電極が、NOxがない場合に電池の電気抵抗を下げる阻害剤を含む、請求項18から20のいずれか一項に記載の電気化学電池。
請求項28
阻害剤が、Cl、F、K、Ba、Na、Ca、La、Sr、MgおよびLiのうちの1種または複数種を含む、請求項27に記載の電気化学電池。
請求項29
検知電極が、ガス流中の残留炭化水素、CO、NH3、元素状炭素または他の還元剤の酸化を触媒するために触媒促進剤または電極触媒促進剤を含み、NOおよびNO2の存在下で信号選択性が改善される、請求項18から20のいずれか一項に記載の電気化学電池。
請求項30
触媒促進剤または電極触媒促進剤が、Ag、Au、Pt、Pd、Ru、Ir、Ni、Fe、Cu、Sn、V、Rh、Co、W、Mo、U、Zn、Mn、CrおよびNbのうちの1種または複数種を含む、請求項29に記載の電気化学電池。
請求項31
検知電極が、SOx、NH3または他のガス種に対する選択性を高めるために、触媒促進剤または電極触媒促進剤を含む、請求項18から20のいずれか一項に記載の電気化学電池。
請求項32
Ca、Sr、Sc、Y、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Laまたはこれらの混合物をドープした酸化セリウム、Ca、Mg、Sc、Y、Ce、またはこれらの混合物をドープした酸化ジルコニウム、Y、V、Cu、Erまたはこれらの混合物をドープした酸化ビスマス、あるいはSr、Mg、Zn、Co、Feまたはこれらの混合物をドープした酸化ランタンガリウムを含むイオン伝導性電解質と、Ca、Sr、Ba、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニド亜マンガン酸塩ペロブスカイト材料、Ca、Sr、Ba、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニドフェライトペロブスカイト材料、Ca、Sr、Ba、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニド輝コバルト鉱ペロブスカイト材料、Ca、Sr、Ba、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニドニッケル酸塩ペロブスカイト材料、あるいはCa、Sr、Ba、Mn、Fe、Co、Niまたはこれらの混合物をドープしたランタニド銅酸化物ペロブスカイト材料を含む検知電極と、Ca、Sr、Ba、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニド亜マンガン酸塩ペロブスカイト材料、Ca、Sr、Ba、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニドフェライトペロブスカイト材料、Ca、Sr、Ba、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニド輝コバルト鉱ペロブスカイト材料、Ca、Sr、Ba、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニドニッケル酸塩ペロブスカイト材料、Ca、Sr、Ba、Mn、Fe、Co、Niまたはこれらの混合物をドープしたランタニド銅酸化物ペロブスカイト材料、あるいはNi、Fe、Cu、Ag、Au、Pd、PtもしくはIrまたはこれらの合金もしくはサーメットを含む金属材料を含む対電極と、を備える、ガス種のアンぺロメトリック検出用電気化学電池。
請求項33
電解質が、Ca、Sr、Sc、Y、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Laまたはこれらの混合物をドープしたイオン伝導性酸化セリウムを含み、検知電極材料が、Ca、Sr、Ba、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニドフェライトペロブスカイト材料、あるいはCa、Sr、Ba、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニド輝コバルト鉱ペロブスカイト材料を含み、対電極材料が、Ca、Sr、Ba、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニドフェライトペロブスカイト材料、Ca、Sr、Ba、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Mgまたはこれらの混合物をドープしたランタニド輝コバルト鉱ペロブスカイト材料、あるいはNi、Fe、Cu、Ag、Au、Pd、PtもしくはIrまたはこれらの合金もしくはサーメットを含む金属材料を含む、請求項32に記載の電気化学電池。
請求項34
電解質がイオン伝導性を有し、かつY、Nd、Sm、Gd、Laまたはこれらの混合物をドープした酸化セリウムを含み、検知電極がイオン伝導性および電子伝導性を有し、かつSrおよびCoをドープしたランタニドフェライトを含み、対電極が電子伝導性を有する、請求項33に記載の電気化学電池。
請求項35
電解質がイオン伝導性を有し、かつSmをドープした酸化セリウム電解質を含み、検知電極がイオン伝導性および電子伝導性を有し、かつランタンストロンチウムコバルトフェライトを含み、対電極が電気伝導性を有し、かつランタンストロンチウムコバルトフェライトを含む、請求項33に記載の電気化学電池。
請求項36
電解質層と、検知電極層と、対電極層とを備えるアンペロメトリックセラミック電気化学電池であって、1種または複数種の窒素酸化物(NOx)の存在下、該検知電極において酸素分子の還元促進を示すように、また結果として電池を通る酸素イオン束の増大を示すように酸化性雰囲気中で、また第1の印加バイアス下で作動可能であり、かつNH3の存在下、該検知電極において酸素分子の還元促進を示すように、また結果として電池を通る酸素イオン束の増大を示すように酸化性雰囲気中で、また第1の印加バイアスとは異なる第2の印加バイアス下で作動可能である電気化学電池。
請求項37
電解質層と、第1の電極層と、第2の電極層とを備えるアンペロメトリックセラミック電気化学電池であって、1種または複数種の窒素酸化物(NOx)の存在下、第1の電極において酸素分子の還元促進を示すように、また結果として電池を通る酸素イオン束の増大を示すように酸化性雰囲気中で、また第1の印加バイアス下で作動可能であり、かつNH3の存在下、第2の電極において酸素分子の還元促進を示すように、また結果として電池を通る酸素イオン束の増大を示すように酸化性雰囲気中で、また第1の印加バイアスとは異なる第2の印加バイアス下で作動可能である電気化学電池。
請求項38
電解質層と、検知電極層と、対電極層とを備える第1のアンペロメトリックセラミック電気化学電池と、電解質層と、検知電極層と、対電極層とを備える第2のアンペロメトリックセラミック電気化学電池とを備えるアンペロメトリック電気化学センサであって、第1のアンペロメトリックセラミック電気化学電池が、1種または複数種の窒素酸化物(NOx)の存在下、該検知電極において酸素分子の還元促進を示すように、また結果として電池を通る酸素イオン束の増大を示すように酸化性雰囲気中で、また第1の印加バイアス下で作動可能であり、かつ酸化性雰囲気中で作動可能であり、第2のアンペロメトリックセラミック電気化学電池が、NH3の存在下、該検知電極において酸素分子の還元促進を示すように、また結果として電池を通る酸素イオン束の増大を示すように第1の印加バイアスとは異なる第2の印加バイアス下で作動可能である電気化学センサ。
請求項39
絶縁セラミックまたは絶縁体で被覆した金属もしくはサーメット材料を含む、電気化学電池用の基板をさらに備える、請求項38に記載の電気化学センサ。
請求項40
酸化性雰囲気中の窒素酸化物の濃度に比例して、1種または複数種の窒素酸化物の存在下、検知電極において酸素分子の還元促進を示すように、また結果として電池を通る酸素イオン束の増大を示すように作動可能である、請求項2に記載の電気化学電池。
請求項41
電解質層がイオン伝導性を有し、かつY、Nd、Sm、Gd、Laまたはこれらの混合物をドープした酸化セリウムを含み、検知電極層がイオン伝導性および電子伝導性を有し、かつSrおよびCoをドープしたランタニドフェライトを含み、対電極層が電子伝導性を有し、かつSrおよびCoをドープしたランタニドフェライトを含む、請求項39に記載の電気化学電池。
請求項42
電解質層が、ガドリニウムをドープしたセリア(GDC)またはサマリウムをドープしたセリア(SDC)を含む、請求項41に記載の電気化学電池。
請求項43
イットリウムをドープしたジルコニア、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、またはアルミン酸マグネシウム(MgAl2O4)基板上に作製された、請求項41に記載の電気化学電池を備える電気化学センサ。
請求項44
電極層および電解質層から電気的に絶縁されている、基板に塗布または埋め込まれた電気加熱素子をさらに備える、請求項43に記載の電気化学センサ。
請求項45
検知電極が触媒促進剤または電極触媒促進剤を含む、請求項43に記載の電気化学電池。
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同族专利:
公开号 | 公开日
CA2717032A1|2009-09-03|
WO2009108870A1|2009-09-03|
AU2009219207A1|2009-09-03|
US20090218220A1|2009-09-03|
EP2286209A1|2011-02-23|
KR20110000647A|2011-01-04|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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